熊本逓信病院:ほぼ還暦

 

2012年12月1日(土)

第3回となった今回の「けんちく寿プロジェクト」は「熊本逓信病院(現くまもと森都総合病院)」(設計:山田守)(以下、逓信病院)のほぼ還暦を寿ぎ、見学会とテーマトークを行いました。

 

13:00~13:45 受付/開会

参加者の皆さんには逓信病院の入り口で受付をしていいただき、山田守建築の特徴であるスロープに囲まれたロビーで開会までのひとときを過ごしていただきました。

13:45~14:20 見学会

3班に別れ、A・Cチームは内部の見学から、Bチームは外観からの見学スタートとなりました。それぞれのチームの学生リーダーがNTTファシリティズの方や先生方に助けられながら、建物内部を説明して回りました。屋上に出てみたり、地下の食堂、手動エレベータに実際に入ってみたり、教えてもらわないと分からないような「山田守フォント」も見つけることができました。各班、見学時間が足りなくなるほどとても楽しい見学会になりました。

14:20~15:00 コーヒーブレイク

会場を逓信病院からウェルパルくまもと内にある「あいぽーと」に移し、今回からの新しい試みとしてコーヒーブレイクをはさみました。逓信病院についての新しい発見や展示された図面や写真についての話題で参加者同士の交流が行われたことでしょう。

15:00~15:10 セレモニー

セレモニーでは逓信病院の竣工写真(0歳)とほぼ同じアングルで撮られた現在の写真(56歳)を並べ、参加者のみなさんに寄せ書きをしていただいた色紙を贈呈しました。還暦ということで赤色にこだわった色紙になりました。

15:10~17:00 テーマトーク

  

セレモニーに引き続き、3つのテーマについてテーマトークを行いました。

まず最初にNTTファシリティズの吉岡康浩さんに『逓信建築と山田守』というテーマで山田守が活躍した時代背景や山田守についてのエピソード、当時の肉声などを紹介していただきました。山田守と同時期に活躍していた日本内外を問わない建築家との写真や交流に関する資料はどれも貴重なものが多く、とても興味深いお話を聞くことができました。

 

2つ目は、これもまた新しい試みとして熊本大学田中研究室の学生有志で結成された「ことぶかせたい」で『DOCOMOMOに選ばれたのはなぜか』というテーマを発表しました。DOCOMOMOの事務局に実際に問い合わせ、そこからこの逓信病院がDOCOMOMOに選ばれた理由を自分たちなりに推測しました。少ない資料からだったので勉強不足なことも多々ありましたが、逓信病院の関係者の方や参加者の方からお褒めの言葉をいただけてうれしかったです。

 

最後のテーマとして、『熊本逓信病院の経年変化』ということでNTTファシリティズの荒木祐一さんに発表していただきました。築56年を迎えた逓信病院が今も病院として現役でいる秘訣である設備の面や建物の補修の方法などのお話や竣工時の内部の写真などを見せていただきました。歴史の深い建築を残すことに加え、現役として使っていくために現代で要求されていることを満たしていくための技術や苦悩を知ることができました。

 

 

以上のプログラムを持って、第3回けんちく寿プロジェクトは無事終了しました。延べ参加人数は40人ぐらいになりました。

くまもと森都総合病院、NTTファシリティズの関係者の方々、登壇者の方々のご協力ありがとうございました。