ことーぶき 【寿】
祝いの言葉を言うこと。 めでたいこと。 命の長いこと。
またその言葉。ことほぎ。 いわい。 長生き。
よろこび。 長寿。
また、その儀式。
「婚姻のーを述べる」 「ーを成す」 「ーを保つ」
北署
「北署」の二十歳を祝う見学会風景



県医師会館
「県医師会館」の厄晴を祝うゲスト講演風景



逓信病院
「逓信病院」の還暦を祝う見学会風景



九州学院
「九州学院講堂」の卒寿を祝う見学会風景



伝統工芸館
「伝統工芸館」の厄晴を祝う座談会風景


                            
未来の森ミュージアム
「未来の森ミュージアム」厄晴を祝う座談会風景


                            
孤風院「引き手」コンペ
孤風院 復旧 復興「引き手」コンペプレゼン風景


                            
趣意書


 建物の誕生は、夢が叶い期待が膨らむ初々しくも喜ばしいできごとです。そのお祝いは盛大に行われ、おそらくその建物にとって最も晴れがましい瞬間でしょう。我々も大いに注目し、話題にするのはこの新築時です。
そして、次に注目を浴びるのは、取り壊しや建て替えの頃だというケースも少なくありません。

 しかし、その間の経年の様子は、見過ごされがちで、現役で活躍中の建築の姿には、あまり目を向けてこなかったような気がします。 そのような中にあって、我々は、熊本における建築の経年を人生に例え、二十歳や還暦などといった建築が歳を重ねてきた節目を祝うプロジェクトを始めました。

 2010年10月の第1回は「熊本中央警察署※」の二十歳のお祝いを行いました。建物の見学会、誕生時の知事である細川元首相をはじめ関係者や周辺住民の方々からのお祝いメッセージの披露と贈呈、設計及び施工に携わった方々による座談会などを行いました。※2017年10月より改称

 その後、“二つの医師会館建築を寿ぐ” と題して「熊本市医師会館」の誕生と「熊本県医師会館」の厄晴れ(第2回)、「熊本逓信病院(元くまもと森都総合病院)」(DOCOMOMO選定)の還暦(第3回)、「九州学院高等学校講堂兼礼拝堂」(登録文化財)の卒寿(第4回)、「熊本県伝統工芸館」の厄晴れ(第5回)、「八代市立博物館 未来の森ミュージアム」(第6回)の小厄の晴れを、同じようなかたちでお祝いしました。
 あわせて、第3回以降は、学生有志〔ことぶかせたい〕による発表や記念品を制作して贈呈を行ってきました。

 2016年4月、熊本は未曽有の大地震に襲われ、多くの建物や文化財が被災しました。
 そこで、これまで取り上げてきた建物の被災状況をヒアリングし、その詳細をホームページで紹介することにしました。幸いにも大きな被害には至っていませんでした。
 そして、これまでのようなお祝いではなく、被災した建築の復旧・復興のお手伝いをと、阿蘇に建つ「孤風院」にて『熊本地震を耐え抜いた孤風院 引き手デザインコンペ』を実施し、選ばれた2作品を我々で制作して取り付けるという貴重な体験を得ることができました。(第7回)

 そして今回は、旧熊本貯金支局(元市役所花畑町別館)の解体後に残されていた部材を展示し、建築を語り継ぐ試みを行うこととなりました。

 このような多様な活動を通して、建築の成長の過程と向き合い、ともに歩むことで、その建築が最期を迎えるときは、それまでの月日を労って送れるような、“建築との仲” になれて、更に、建築のこれからを考えることになればと願っています。
平成29年2月

けんちく寿プロジェクト実行委員会

西嶋公一 熊本まちなみトラスト会長

磯田桂史 熊本大学五高記念館客員教授

西郷正浩 崇城大学工学部建築学科准教授

田中智之 熊本大学大学院自然科学研究科准教授